カラスブログ2017年10月3日 過ぎ去った夏

夏が終わった・・・。

今年もまた、夏らしいことを何もせずに過ごした。

あんなに騒々しかった蝉の声も今は懐かしく、 過ぎ去った夏を想う。

だが、実際の夏の日々はその暑さにバテて、 夏を肌で味わうことなど望みもしないのだ。

そう、夏のイメージは都合よく美化されるのである。

高原

そして何もしなかった夏の日々を取り戻そうと、むやみに焦るこの季節。

すでに秋の気配が漂う高原に、カラスの観察に向かう。



高原

ここは奥三河では最も標高の高い茶臼山の山頂付近。標高は1400メートル。

人里離れたこの山奥は、ハシブトガラスの本来の姿を見ることができる。

待つこと30分。カラスの声は聞こえるのだが一向に姿を見せない。 街中とは縄張りの広さが桁違いであり、カラスの生息密度が極めて低いのだ。

ここでカラスを観察するのは非常に難しい。 せっかくここまで来たのだが、もう少し標高の低いところを探すことにする。



水源

山の頂上から少し降りたところに川の水源がある。

積み上げた岩の間に竹筒がさしてあり、そこからチョロチョロと水が湧き出ている。



矢作川源流域

さらに山を下る。

かすかに聞こえる川のせせらぎ。

さっきの水源から流れてくる川だ。 川幅はまだ1メートルもない。



矢作川源流域

この辺はさびれた観光地である。

車が数台停められる公園のような場所があるが、 人が訪れた痕跡も無い。



矢作川源流域

荒れ放題の公園の奥にあるのは東屋。



茶臼山

そして車を走らせ、麓へと向かう。



矢作川源流域

やがて川は立派な渓流となる。



矢作ダム

そして川はダムによりせき止められ、豊かな水をたたえる湖となる。

ここは下流域の広大な地域に水を供給する重要なダムである。



矢作ダム

土手側に目をやると、動物らしきものの影が見える。

ウサギかな?



矢作ダム

ニワトリだ。

ニワトリと言っても養鶏場にいる白いヤツではない。 名古屋コーチンという高級種だ。 肉も旨いし卵も旨い。

柵も無く自由に歩いているが、もちろん野良ではなく近所の住人が飼っているのだろう。



矢作ダム

ブロイラーのニワトリと違い、完全に自由な彼ら。

二羽で仲良くウォーキングしているが、 これらは夫婦ではなく両方とも雌である。

名古屋コーチンは雌雄まったく異なる形態をしており、 雄はトサカが大きく、尾羽は煌びやかなドレスのようであり、 一見して分かるド派手なスタイルなのだ。 雌はこのように普通の姿をしている。



矢作ダム

再び湖畔を歩いていくと、打ち捨てられたプレジャーボートがある。 船のデザインから、80年代以前のものだろう。



矢作ダム

錆びつき放置された鉄パイプ。



矢作ダム

平穏そうに見えるこのダム湖だが、実は深刻な問題を抱えている。 近年の豪雨により上流から流れてきた土砂が湖底に堆積し、 このまま放置するとダムとしての機能が半減してしまうのだ。

そこで20年ほど前から湖底の土砂を取り除く作業が進められ、 湖畔にはこうして作業場が用意された。

ダラダラと続く退屈で終わりのない公共工事。

予算が厳しいのか、トラックや重機、ボートに至るまで20年前の物をそのまま使用している。 まるで東南アジアの工事現場のようだ。 とても稼働中の現場とは思えない哀愁が漂う。



カラス

そして奥矢作湖を一望できる高台に到着。

ここは愛知県の東の山中にある奥矢作湖。

この辺りの山中にはハシブトガラスの縄張りが点在している。 都会のカラスとは違い彼らの縄張りは広大であり、カラス本来の姿を見ることができる。

さっそく、ハシブトガラスの声が聞こえてくる。



カラス

4羽のカラスが空を舞う。この日、ようやく間近で見ることができた。

子ガラスの声も混じっているので、おそらく家族だろう。

カラスは街中では人間の次に多い身近な動物だが、深い山の中では意外と少ない。 食物連鎖のなかで適切な個体数を保っているのだ。



カラス

上空を行ったり来たりして喧嘩をしているように見えるが、 警戒音を発していないことと、 飛行速度が遅いことから本気の喧嘩ではない。



カラス

子ガラスを交えて飛行訓練、というよりも遊んでいると言った方が適切だ。

後ろを飛んでいるのが子ガラス。



カラス

軽く流しながらのドッグファイト。



カラス

追いつき、追い越され・・・。



カラス

後ろからもう一羽も合流。



カラス

上のカラスがふざけて羽をぶつけたおかげで、下のカラスはバランスを崩した。

おそらくこの二羽は今年生まれの子ガラスだ。 鳴き声がまだ幼く、互いにジャレ合うように飛んでいる。



カラス

本当の喧嘩の場合、この状態で足蹴りの攻撃に移る。



カラス

子ガラスらしく非常にきれいなシルエットだ。

子ガラスは羽の黒色がやや薄く、 太陽に透かすとこのように灰色に見える。

この山奥に暮らすカラスたちは、都会で人間に依存するカラスたちとは違う。 太古の昔から脈々と続くハシブトガラス本来の姿である。


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2017年10月3日公開

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